9月9日は重陽の節句です。

中国で縁起が良いとされる9の字が重なるこの日は、『菊花の節句』ともいわれ、菊花酒を酌み交わし、延命長寿を願います。これは中国の伝説によります。

昔、中国の賢者が恒景(こうけい)という人にこう予言しました。

「今年の9月9日に、あなたに災いが起こります。家族と共に高いところに登り、菊花酒を飲めばこの災難は避けることができるでしょう。」

これを聞いた恒景は、その日はいわれたとおりに過ごし、翌日家に戻ってみると牛や豚、鶏、犬などの家畜が皆死んでいました。

賢者はこれを聞いて、「彼等は人の身代わりになって死んだものであり、菊花酒を飲んでいなければ、あなた方も死んでいたでしょう。」といったといいます。

また、菊花酒を飲んで800歳まで若々しく生きたと言う『菊慈童(きくじどう)』という人物の話もあります。

この習慣は日本には平安時代に伝わりました。平安貴族達は、この風流さを好み、重陽の宴は宮廷で催されました。

しかし、鎌倉時代には、将軍に菊を献上するだけの簡単な儀式に変わっていきました。

安土桃山時代からは、菊の栽培が広く大衆化され、武士の間だけでなく町人も菊花酒を酌み、栗飯を食べ、9月9日を楽しむようになったのです。

そして、江戸時代にはいると、江戸城で祝事が行われるとともに、菊がますます流行し、品評会なども催されました。

今日ではすっかり忘れられているようすの『重陽の節句』ですが、菊の花びらを浮かべたお酒を飲んで、せめて浮き世での長生きを願いましょうか。


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