昔、手芸の女神が、いたずらにピンキングばさみでピンクの布を丸く切って、地上に落としたら、ダイアンサスになりました。というのは作り話ですが、それほど切り込みがキュートな花びらを持つこの花は日本人からとても愛されてきました。撫でたくなるから「撫子」という和名がつけられたのも頷けます。 ナデシコ科ダイアンサス属は約300種もあり世界中に広く分布しています。カーネーションや石竹(せきちく)も同じ仲間です。あまりに種類が多く分類もなかなかはっきりしていません。ひらたく言えば、ダイアンサスと称されるのは一重のカーネーションというところでしょう。 英和辞典でピンクを引くと、そこには「ナデシコ」と書かれてあるはず。日本語の桃色と同様に、色をあらわすのにこの花の名が使われました。ついでにもう一つ。「ギザギザに切る」という動詞もありますね。こちらはピンキングばさみのピンクです。 ガクの部分を取り除けば、渋みや灰汁はほとんど感じられませんので幅広い料理に利用できます。色もきれいでサラダやデザートの彩りに。 |